エンデューロ全盛の1985年以降
アルベーカーが出したXR600Rベースのコンプリートマシンがあった。
ハイカム&強化バルブスプリング ビッグフィンヘッド(ポート研磨済) 630cc ミクニフラットキャブ
アルベーカーオリジナルフルエキゾースト
当時は誰もが知るメーカーだった。
そのコンプリートマシンが当店にオーバーホールで入ってきた。
症状:時折の白煙とオイル消費大
それまでに当店でパーツとしてPJ38.3キャブキット フルエキゾースト
高速C.D.I 外装品などを購入されていました。
永く乗ろうという意気込みが感じられるユーザーさんです。
エンジンをばらしてみると
まずカム&ロッカーアームが焼けていた。
そしてピストンヘッドはオイルでベタついている。
オイル消費が多くなるという事はピストンとシリンダーのクリアランスが大きくなりオイル上がりを起こします。
※XR600Rはノーマルでも3.000km走行で500ccは減ります。
アルベーカーはアリアスの鍛造ピストンを使っているので膨張率が高く余計オイル消費は多くなります。
オイルが燃えてカーボンが堆積しますが 度を越えるとオイルがカーボンに染込み燃えてカーボンが少なくなります。
また幾度のも水か結露でシリンダー壁面は錆び跡の黒いシミだらけ これではオイルを食うはずです。
そしてカムやロッカーアーム ヘッド周りの焼けの原因が判明
カムのオートデコンプ機構を外してある そのオイルポートを塞いでいない。
カムポートへのオイル供給が減り センターのメタルにも焼き付きの兆候が・・・
止めにヘッドに供給するオイルパイプの両端 オリフィスボルトが逆さまに付いていた。
XR600Rのオリフィスボルトの外寸は寸法がまったく同じで 取り付けを間違えやすい。
なので色分けしている、クラッチカバー側が黒 ヘッドカバー側がシルバーが正解です。
なのでヘッドへの供給が少なくなっていたのです。
そして ユーザーさんの希望でフロントスプロケットのスプラインをチェックして欲しいとの事で
アウト! 半分ぐらいに減っていた。
ソコでエンジン全バラ決定です。
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カウンターシャフトのスプラインが痩せているので交換となり全バラ行程になりました。
新品はすでに生廃なのをユーザーさんは知っていて 事前に中古の上モノを持って来られた。
ギア類を総入れ替え
全バラの場合 滅多にケースをばらす事が無いのでクランクセンター出しをお勧め
クランクケース内を掃除し新品のベアリングを圧入
仕上がってきたクランク
少しの衝撃でもセンターが狂ってしまうので慎重に挿入 ココが勝負
バランサーの位置を合わせる
ミッションを挿入
ココまで完成
ケースを合わせ
ケース 本締め
カムチェーンを新調し オイルポンプを強化タイプに変更
クラッチカバー側パーツ組み込み
クラッチカバー側にクランクに圧送する為のオイルシールがあります。
このシールに傷が・・・
入替えておかないとクランクに支障が出る重要な部分です。
カバー取り付けにオイルフィルターも交換
そして反対側
フライホイルはノーマルだった為軽量加工を施工
困った事に♯11のシフトピースAが何故か破損していた。
こんなところが破損した例は過去一度も無い、パーツは勿論生廃。
バイクのパーツは何一つ無くても動かせなくなる事が多い。
何とかしなくては・・・
パーツの知識をフルに絞って一品製作(左のパーツ)
フライホイルカバー側完成
腰下が完成した。
さあ 腰上だというところで昨日のドカ雪のせいでホンダから本日パーツ届かず
店の前
To be continued.
腰 上 編
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